PC Watchでは、米サンタクララで開催されたARM社の技術コンファレンス「ARM Techcon」の様子をレポートしている。まず、ソフトバンクグループの孫正義氏がスピーチを行なった。ソフトバンクグループによるARMを買収後、初めてのコンファレンスであることから、その内容に注目が集された。ARMの経営方針としては、これまでと変わりないことを強調するとともに、ARMのビジョンを熱く語った。
孫氏は、いま情報技術の分野で起きていることをカンブリア紀に生物の急激な多様化イベントであるカンブリア爆発が起きたことになぞらえた。カンブリア爆発は5億4,300万年前に起きた生物界の最大の革命で、“眼”という“センサー”の登場で、生物に大きな変化がもたらされことをいう。つまり、現在の情報技術の進化の状況に似ているという。カンブリア爆発と同様、知能の向上のサイクルがIoTでも起きることを示唆した。より具体的にいうと、光学デバイスを含む各種センサーとデータ収集の技術とディープラーニングなどの人工知能による分析により、これまでにないほどの大きなイノベーションが起きるというわけだ。
いま、起きている人工知能、IoT、VR/ARなどの変化はそれぞれを見ていると、それはいままでにもあったバズワードのようにも思えるが、それだけではなく、これらが有機的に作用したときにはより大きな社会変化が起きるだろう。そして、日々の企業の発表や報道を見ていると、まさに多くの企業や人々がそれに気づき、その動きに乗るために経営のハンドルを大きく切り、先行投資、企業提携や買収、そして技術開発が進んでいると感じる。