ビットコインの流通量が増加したことにともない、送金などのトランザクション処理に時間がかかるようになったことから、将来を見据えてデータ構造を変更しようという議論の流れのなかで、その技術的な方針の相違から別々のシステムとして枝分かれ(フォーク)してしまう懸念が生じている。仮に別々の解決策をとったとしても、相互をつなぐためのブリッジとしての役割をはたす技術なども提唱されるなどし、騒動は沈静化の方向にはあるようだが、予定される8月1日に向けては予断を許さない。
これまでの経緯や問題点などについての詳細はそれぞれの記事を参照していただきたいが、ここではこうした技術的な決裂がなぜ起きるのかについて考えたい。
いうまでもなく、ビットコインは分散システムとして動いていて、どこか一つのベンダーがなにかを決定して、バージョン管理をしているわけではない。つまり、中央集権的に(トップダウンで)決定されるものではなく、技術的な優位性、既存システムへの影響、将来性など、実装可能性などの多様な観点からボトムアップで当事者たちが議論し、一つの解決方向へ収束されていくことが必要である。もちろん、そのためには長い時間をかけた議論や各国の人が集まるという、時間的、経済的なコストもかかるが、最終的に技術が枝分かれしてしまい通信できなくなることは、お互いにとっての最大の失策という考えから、最終的には集約の方向へ向かってきた。
そもそも、インターネットがいまのようにワールドワイドに広がり、かつ仕様が安定的に修正され、追加されているのはこうしたイニシアチブの力を持つ組織力がある。また、ビットコイン以外にも、技術的なコミュニティーによって運用され、技術的な拡大をしている分散システムはある。いずれも成長させるためにはこれと同じような課題をはらむことになる。ここで重要なのは、異なった意見をとりまとめて一つの技術的な解決を見いだすコミュニティーの力であり、やっぱり中央集権的なシステムがよいという後ろむきの結論ではなかろう。
このように考えると、この騒動からあらためて学ぶべきは、技術的な優位性ではなく、強いイニシアチブを維持するためのコミュニティーマネジメントとはなにかという壮大なテーマなのかもしれない。

ニュースソース

  • 国内13の取引所がビットコイン取引を停止へ–8月1日の“分裂”に備え[CNET Japan
  • ビットコイン「分裂問題」に回避の兆し —— 価格は回復傾向に[BUSINESS INSIDER
  • ビットコインに訪れた“成長痛”–8月1日に予期される「フォーク」とは[CNET Japan
  • ブロックチェーンにかける将来の取引の信頼性(1)[Readwrite.jp
  • ブロックチェーンにかける将来の取引の信頼性(2)[Readwrite.jp
https://i.impressrd.jp/wp-content/uploads/2017/02/ThinkstockPhotos-623380464-600x411.jpghttps://i.impressrd.jp/wp-content/uploads/2017/02/ThinkstockPhotos-623380464-130x130.jpg編集部ニュースキュレーションフィンテック,事件・できごと,情報通信,標準化動向ビットコインの流通量が増加したことにともない、送金などのトランザクション処理に時間がかかるようになったことから、将来を見据えてデータ構造を変更しようという議論の流れのなかで、その技術的な方針の相違から別々のシステムとして枝分かれ(フォーク)してしまう懸念が生じている。仮に別々の解決策をとったとしても、相互をつなぐためのブリッジとしての役割をはたす技術なども提唱されるなどし、騒動は沈静化の方向にはあるようだが、予定される8月1日に向けては予断を許さない。 これまでの経緯や問題点などについての詳細はそれぞれの記事を参照していただきたいが、ここではこうした技術的な決裂がなぜ起きるのかについて考えたい。 いうまでもなく、ビットコインは分散システムとして動いていて、どこか一つのベンダーがなにかを決定して、バージョン管理をしているわけではない。つまり、中央集権的に(トップダウンで)決定されるものではなく、技術的な優位性、既存システムへの影響、将来性など、実装可能性などの多様な観点からボトムアップで当事者たちが議論し、一つの解決方向へ収束されていくことが必要である。もちろん、そのためには長い時間をかけた議論や各国の人が集まるという、時間的、経済的なコストもかかるが、最終的に技術が枝分かれしてしまい通信できなくなることは、お互いにとっての最大の失策という考えから、最終的には集約の方向へ向かってきた。 そもそも、インターネットがいまのようにワールドワイドに広がり、かつ仕様が安定的に修正され、追加されているのはこうしたイニシアチブの力を持つ組織力がある。また、ビットコイン以外にも、技術的なコミュニティーによって運用され、技術的な拡大をしている分散システムはある。いずれも成長させるためにはこれと同じような課題をはらむことになる。ここで重要なのは、異なった意見をとりまとめて一つの技術的な解決を見いだすコミュニティーの力であり、やっぱり中央集権的なシステムがよいという後ろむきの結論ではなかろう。 このように考えると、この騒動からあらためて学ぶべきは、技術的な優位性ではなく、強いイニシアチブを維持するためのコミュニティーマネジメントとはなにかという壮大なテーマなのかもしれない。 ニュースソース 国内13の取引所がビットコイン取引を停止へ--8月1日の“分裂”に備え[CNET Japan] ビットコイン「分裂問題」に回避の兆し —— 価格は回復傾向に[BUSINESS INSIDER] ビットコインに訪れた“成長痛”--8月1日に予期される「フォーク」とは[CNET Japan] ブロックチェーンにかける将来の取引の信頼性(1)[Readwrite.jp] ブロックチェーンにかける将来の取引の信頼性(2)[Readwrite.jp]IT第二幕を世界のニュースで横断読み解き。