
技術ブログ「Geekなページ」管理人で、『インターネットのカタチ』『マスタリング TCP/IP OpenFlow 編』(オーム社)、『アカマイ 知られざるインターネットの巨人』(KADOKAWAメディアファクトリー)、『ポートとソケットがわかればインターネットがわかる』(技術評論社)などの筆者として知られている小川晃通(あきみち)氏と技術書籍編集者である鹿野桂一郎氏は「すごい技術書を一緒に作ろう」と銘打って、クラウドファウンディング方式での出版企画を立ち上げている。企画内容は『プロフェッショナルIPv6』で、予定されている目次内容も公開している。
近年、出版業界全体は不況が続いていて、技術書籍の出版市況も厳しい状況である。いくら重要な技術についての出版企画でも、発行部数が見込めない企画は、出版社にとっても経済的なリスクをともなうことから発行にこぎつけるのは難しい。仮に発行できたとしても、1冊あたりの価格は非常に高価なものになり、個人が購入できるようなものでなくなってしまうだろう。さらに、著者への報酬も決して十分な額に達しないことさえ想定される。このような問題をはらむ従来の出版モデルによらず、需要は少なくても、価値のある情報を必要としている人に届けるというのがこのプロジェクトである。
支援金額は5000円〜100万円までで、それぞれさまざまなベネフィットが設定されている。目標金額2,560,000円に対して、4月17日午前10時20分現在ですでに2,480,000円(96%)を達成している。
もし、この方法が一時期のイベント性だけでなく、出版の仕組みとしてうまく機能すれば、技術出版の分野でのあらたな出版スキームとしての先例となる可能性がある。もちろん、著者らだけでなく、出版社もこうした仕組みを使うようになるかもしれない。現状の出版不況を嘆くだけでなく、既存の出版モデルに縛られた発想を切り替えていかないことには、知識や経験の蓄積、そしてその流通が滞ることになり、今後の技術発展を阻害してしまう。
ニュースソース
- すごい技術書を一緒に作ろう。あきみち+ラムダノート『プロフェッショナルIPv6』[Makuake]
- 潜在ニーズはいかに、IPv6の技術書をクラウドファンディングで作る試みが注目を集める[INTERNET Watch]
https://i.impressrd.jp/archives/1616https://i.impressrd.jp/wp-content/uploads/2016/11/ThinkstockPhotos-536772285-600x400.jpghttps://i.impressrd.jp/wp-content/uploads/2016/11/ThinkstockPhotos-536772285-130x130.jpg編集部ニュースキュレーションコンテンツ,情報通信,電子出版/コンテンツビジネス技術ブログ「Geekなページ」管理人で、『インターネットのカタチ』『マスタリング TCP/IP OpenFlow 編』(オーム社)、『アカマイ 知られざるインターネットの巨人』(KADOKAWAメディアファクトリー)、『ポートとソケットがわかればインターネットがわかる』(技術評論社)などの筆者として知られている小川晃通(あきみち)氏と技術書籍編集者である鹿野桂一郎氏は「すごい技術書を一緒に作ろう」と銘打って、クラウドファウンディング方式での出版企画を立ち上げている。企画内容は『プロフェッショナルIPv6』で、予定されている目次内容も公開している。
近年、出版業界全体は不況が続いていて、技術書籍の出版市況も厳しい状況である。いくら重要な技術についての出版企画でも、発行部数が見込めない企画は、出版社にとっても経済的なリスクをともなうことから発行にこぎつけるのは難しい。仮に発行できたとしても、1冊あたりの価格は非常に高価なものになり、個人が購入できるようなものでなくなってしまうだろう。さらに、著者への報酬も決して十分な額に達しないことさえ想定される。このような問題をはらむ従来の出版モデルによらず、需要は少なくても、価値のある情報を必要としている人に届けるというのがこのプロジェクトである。
支援金額は5000円〜100万円までで、それぞれさまざまなベネフィットが設定されている。目標金額2,560,000円に対して、4月17日午前10時20分現在ですでに2,480,000円(96%)を達成している。
もし、この方法が一時期のイベント性だけでなく、出版の仕組みとしてうまく機能すれば、技術出版の分野でのあらたな出版スキームとしての先例となる可能性がある。もちろん、著者らだけでなく、出版社もこうした仕組みを使うようになるかもしれない。現状の出版不況を嘆くだけでなく、既存の出版モデルに縛られた発想を切り替えていかないことには、知識や経験の蓄積、そしてその流通が滞ることになり、今後の技術発展を阻害してしまう。
ニュースソース
すごい技術書を一緒に作ろう。あきみち+ラムダノート『プロフェッショナルIPv6』[Makuake]
潜在ニーズはいかに、IPv6の技術書をクラウドファンディングで作る試みが注目を集める[INTERNET Watch]編集部編集部
np-center@impress.co.jpAdministratorIMPRESS INNOVATION LAB