
先日、大手建築設計事務所の方から興味深いお話を伺う機会をいただいた。この分野における課題は数十年前の高度経済成長時代に建設された建物の老朽化にともなう維持・管理、そしてそれを行うベテランの建築技術者らの高齢化にともなう維持・管理要員の絶対数の減少ということだという。そして、これは単なる作業員の不足ということではなく、長年の作業で蓄積されてきた知見が「定年退職」とともに、現場から失われてしまうことを意味しているという。新しいものを作る話題はメディアにも取り上げられやすいが、維持・管理という分野はあまり陽が当たらない分野だが、安心・安全という観点ではとても重要な分野である。こうした課題をAI、IoT、VR/ARなどの最近話題の技術を駆使することで、彼らの知見をシステムとして実装して、解決できないかというわけだ。社会的基盤を扱う事業者が、まだこなれていない新しいIT技術に関心を持つということは意外でもある。確かに、昨年から、土木や建築の分野での情報通信技術の話題は増加傾向にあることは気づいていたが、そうした産業的な背景があるということを聞いて納得した。
2020年に向けて、新たな大規模インフラも作り出され、目新しい付加価値競争も起こるだろうが、背景にある維持・管理の観点からの効率性や持続性についても関心を払う必要がある。
https://i.impressrd.jp/archives/1582https://i.impressrd.jp/wp-content/uploads/2016/11/ThinkstockPhotos-dv738022-600x388.jpghttps://i.impressrd.jp/wp-content/uploads/2016/11/ThinkstockPhotos-dv738022-130x130.jpg編集部ニュースキュレーションAI(人工知能),AR,IoT,VR/AR先日、大手建築設計事務所の方から興味深いお話を伺う機会をいただいた。この分野における課題は数十年前の高度経済成長時代に建設された建物の老朽化にともなう維持・管理、そしてそれを行うベテランの建築技術者らの高齢化にともなう維持・管理要員の絶対数の減少ということだという。そして、これは単なる作業員の不足ということではなく、長年の作業で蓄積されてきた知見が「定年退職」とともに、現場から失われてしまうことを意味しているという。新しいものを作る話題はメディアにも取り上げられやすいが、維持・管理という分野はあまり陽が当たらない分野だが、安心・安全という観点ではとても重要な分野である。こうした課題をAI、IoT、VR/ARなどの最近話題の技術を駆使することで、彼らの知見をシステムとして実装して、解決できないかというわけだ。社会的基盤を扱う事業者が、まだこなれていない新しいIT技術に関心を持つということは意外でもある。確かに、昨年から、土木や建築の分野での情報通信技術の話題は増加傾向にあることは気づいていたが、そうした産業的な背景があるということを聞いて納得した。
2020年に向けて、新たな大規模インフラも作り出され、目新しい付加価値競争も起こるだろうが、背景にある維持・管理の観点からの効率性や持続性についても関心を払う必要がある。編集部編集部
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