下のニュースソースに示した記事は昨年末12月28日から今年1月9日までにインターネット上のメディアで取り上げられた「企業提携」に関する記事の見出しである。この期間には、米国で恒例となっているCES(国際家電・技術ショー)という展示会が開催されていたこともあるが、非常に多くの「企業提携」が発表をされていることに驚く。きちんとした統計はとっていないが、こうした動きは国内外を問わすに、昨年あたりから増加をしているように感じる。ソフトウエア企業がハードウエアメーカーに技術をライセンスするというのはこれまでもあったモデルだが、自動車メーカーとIT企業、金融機関とIT企業などの異業種での提携が目立つ。このように、有望なリソースを持つ企業と提携を進め、目的を達成していくことを「オープンイノベーション」というようだ。
従来、自動車メーカーや銀行などは社会的に高い責任を求められることから、新しい(=未熟な)技術に対しては保守的と考えられていた。開発されて何年か経過した「こなれた技術」をやっと採用する業種のだと思われていた。しかし、昨今のAI、IoT、自動運転、コネクテッドカー、音声認識技術などの分野では、いち早くこれらの技術要素を取り込もうとしている姿勢がはっきりと表れている。その背景には、IT技術による自らの事業ドメインの侵食を予感しているからではないか。つまり、侵食される前に手を組んでしまうということが狙いだと思われる。
従来、基幹産業と「やんちゃなスタートアップ」は企業カルチャーは異なり、お互いが提携しようとしてもなかなかうまく運営できないといわれてきた。心配の例は枚挙にいとまがない。さらには、守秘、知的財産、事業継続性などの観点からも、資本関係にあるような企業グループの内部で取り組むことが多かった。しかし、もはやそうした前提は失われているようだ。
これらの「提携関係」は、業界構造で見ると「陣取り合戦」にもいえる様相を呈している。有望なスタートアップとは競合他社と提携する前に握手をしておきたいということだ。このような提携関係が成功するかどうか、人知れずに破談となるのか。これらの結果、イノベーションが推進されるのかどうかがまさに2017年の注目点だ。

ニュースソース

  • トヨタやフォードなど、スマートフォンと車載システムを繋ぐ「スマートデバイスリンク」を管理する業界団体を設立[ガジェット通信
  • パナソニックとTesla、太陽電池セルとモジュールの生産で合意[TechOn!
  • パナソニック社長「テスラと自動運転でも協業の可能性」[日本経済新聞
  • 日産、無人運転でDeNAと提携を発表[ネタフル
  • 【イベントレポート】 Huawei、GoogleとAmazonと協業で米市場に本格参入[PC Watch
  • AudiがNVIDIAの技術を使って自動運転のテストを2020年までに実施予定[The Next Web
  • CES 2017 : Amazon Fire TVの機能を内蔵した4Kテレビが家電メーカーより発表[ガジェット通信
  • CES 2017 : LG、Amazon Alexaのアシスタント機能を統合したスマート冷蔵庫「LG Smart InstaView Refrigerator」を発表[ガジェット通信
  • CES 2017 : 現代自動車、音声コマンドで車両を制御できるGoogle Homeへの対応を発表[ガジェット通信
  • CES 2017:BMWとインテルは2017年中に「自律走行車40台を一般道に」[Wired
  • Fordは今年の後半から、車にAlexaの搭載を計画[TechCrunch
  • NVIDIA、 ゼンリンと日本向け HD マップ整備に対する AI の活用について共同研究することで合意[ニュースリリース
  • NVIDIAとAudi、AI搭載自動運転車で提携 2020年までに完全自動車両を路上へ[ITメディア
  • 米フォード、アマゾンの音声認識機能の活用拡大へ[ロイター
  • 中国銀行、AIベンチャーのゼネリックソリューションとFinTechで協業[ITpro
  • Lenovo、Amazon Alexaに対応したSmart Assistantを発表 〜6TBの家庭向けNASも[PC Watch
  • 「Huawei VR」はGoogle製以外では初のDaydream対応VRヘッドセット[ガジェット通信
  • DeNA、自動運転サービスで日産と提携[ケータイWatch
  • SBIグループと日本IBM、地域金融機関向けのFinTechサービスの導入支援分野で提携[クラウドウオッチ
  • テスラとパナソニック、電池パックのコスト3割減 量産を開始[日本経済新聞
  • “インテル入ってる”車、今年後半に公道実験へ[日経ビジネスオンライン
  • BMWとグーグル、「未来の車」をイメージした360度動画を公開[ガジェット通信
  • BMWの車はCortanaやAmazon Primeと接続 〜運転中に商品を注文し、次の目的地で受け取りが可能に。[PC Watch
  • 中国・華為、アマゾンのAI使うスマホ 米開拓の目玉に[日本経済新聞
  • CBSとHulu、ライブストリーミング提携で合意へ=関係者[ウォールストリートジャーナル日本版
  • ビデオリサーチと米Nielsenが資本・業務提携、ネット視聴測定などのデジタル領域で協業[INTERNET Watch
https://i.impressrd.jp/wp-content/uploads/2016/11/ThinkstockPhotos-528606286-600x400.jpghttps://i.impressrd.jp/wp-content/uploads/2016/11/ThinkstockPhotos-528606286-130x130.jpg編集部ニュースキュレーションAI(人工知能),AR,IoT,VR,企業戦略/業績,新製品,自動運転下のニュースソースに示した記事は昨年末12月28日から今年1月9日までにインターネット上のメディアで取り上げられた「企業提携」に関する記事の見出しである。この期間には、米国で恒例となっているCES(国際家電・技術ショー)という展示会が開催されていたこともあるが、非常に多くの「企業提携」が発表をされていることに驚く。きちんとした統計はとっていないが、こうした動きは国内外を問わすに、昨年あたりから増加をしているように感じる。ソフトウエア企業がハードウエアメーカーに技術をライセンスするというのはこれまでもあったモデルだが、自動車メーカーとIT企業、金融機関とIT企業などの異業種での提携が目立つ。このように、有望なリソースを持つ企業と提携を進め、目的を達成していくことを「オープンイノベーション」というようだ。 従来、自動車メーカーや銀行などは社会的に高い責任を求められることから、新しい(=未熟な)技術に対しては保守的と考えられていた。開発されて何年か経過した「こなれた技術」をやっと採用する業種のだと思われていた。しかし、昨今のAI、IoT、自動運転、コネクテッドカー、音声認識技術などの分野では、いち早くこれらの技術要素を取り込もうとしている姿勢がはっきりと表れている。その背景には、IT技術による自らの事業ドメインの侵食を予感しているからではないか。つまり、侵食される前に手を組んでしまうということが狙いだと思われる。 従来、基幹産業と「やんちゃなスタートアップ」は企業カルチャーは異なり、お互いが提携しようとしてもなかなかうまく運営できないといわれてきた。心配の例は枚挙にいとまがない。さらには、守秘、知的財産、事業継続性などの観点からも、資本関係にあるような企業グループの内部で取り組むことが多かった。しかし、もはやそうした前提は失われているようだ。 これらの「提携関係」は、業界構造で見ると「陣取り合戦」にもいえる様相を呈している。有望なスタートアップとは競合他社と提携する前に握手をしておきたいということだ。このような提携関係が成功するかどうか、人知れずに破談となるのか。これらの結果、イノベーションが推進されるのかどうかがまさに2017年の注目点だ。 ニュースソース トヨタやフォードなど、スマートフォンと車載システムを繋ぐ「スマートデバイスリンク」を管理する業界団体を設立[ガジェット通信] パナソニックとTesla、太陽電池セルとモジュールの生産で合意[TechOn!] パナソニック社長「テスラと自動運転でも協業の可能性」[日本経済新聞] 日産、無人運転でDeNAと提携を発表[ネタフル] 【イベントレポート】 Huawei、GoogleとAmazonと協業で米市場に本格参入[PC Watch] AudiがNVIDIAの技術を使って自動運転のテストを2020年までに実施予定[The Next Web] CES 2017 : Amazon Fire TVの機能を内蔵した4Kテレビが家電メーカーより発表[ガジェット通信] CES 2017 : LG、Amazon Alexaのアシスタント機能を統合したスマート冷蔵庫「LG Smart InstaView Refrigerator」を発表[ガジェット通信] CES 2017 : 現代自動車、音声コマンドで車両を制御できるGoogle Homeへの対応を発表[ガジェット通信] CES 2017:BMWとインテルは2017年中に「自律走行車40台を一般道に」[Wired] Fordは今年の後半から、車にAlexaの搭載を計画[TechCrunch] NVIDIA、 ゼンリンと日本向け HD マップ整備に対する AI の活用について共同研究することで合意[ニュースリリース] NVIDIAとAudi、AI搭載自動運転車で提携 2020年までに完全自動車両を路上へ[ITメディア] 米フォード、アマゾンの音声認識機能の活用拡大へ[ロイター] 中国銀行、AIベンチャーのゼネリックソリューションとFinTechで協業[ITpro] Lenovo、Amazon Alexaに対応したSmart Assistantを発表 〜6TBの家庭向けNASも[PC Watch] 「Huawei VR」はGoogle製以外では初のDaydream対応VRヘッドセット[ガジェット通信] DeNA、自動運転サービスで日産と提携[ケータイWatch] SBIグループと日本IBM、地域金融機関向けのFinTechサービスの導入支援分野で提携[クラウドウオッチ] テスラとパナソニック、電池パックのコスト3割減 量産を開始[日本経済新聞] “インテル入ってる”車、今年後半に公道実験へ[日経ビジネスオンライン] BMWとグーグル、「未来の車」をイメージした360度動画を公開[ガジェット通信] BMWの車はCortanaやAmazon Primeと接続 〜運転中に商品を注文し、次の目的地で受け取りが可能に。[PC Watch] 中国・華為、アマゾンのAI使うスマホ 米開拓の目玉に[日本経済新聞] CBSとHulu、ライブストリーミング提携で合意へ=関係者[ウォールストリートジャーナル日本版] ビデオリサーチと米Nielsenが資本・業務提携、ネット視聴測定などのデジタル領域で協業[INTERNET Watch]IT第二幕を世界のニュースで横断読み解き。