「インターナショナルオープンデータデイ」2015年は2月21日に開催【OKFJ記者発表会報告】

イノベーションラボ

オープンデータの祭典「インターナョナルオープンデータデイ」の第3回目が、2015年2月21日(土)に開催される。一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン(OKFJ)は、11月13日、オープンデータの現状やこれまでに参加したグループを紹介する記者発表を行い、オープンデータデイへの意気込みを示した。

オープンデータを「使う」段階へ向けた新たな課題

OKFJ代表理事を務める庄司昌彦氏は、日本と世界のオープンデータの現状を紹介した。

2013年にG8(主要8か国首脳会議)で「オープンデータ憲章」が採択されてから、各国でオープンデータへの取り組みが活性化し、日本もこの1年でデータを公開するという点では官民ともに大きく前進した。だが、「使う」という点ではまだこれからであり、新たな課題も浮き彫りになっているという。 

オープンデータは、情報を公開するだけでなく、使いやすい形式で提供し、オープンライセンスにすることでビジネス利用までできることが望まれている。しかし、現状では、利用規約で制限をつけるなど、完全に「オープン」とは言えないものもある。これらの「准オープンデータ」をどう捉えればよいのか。これはオープンデータではないからダメだと言うのではなく、少しでも条件を緩和しようと努力している担当機関に向き合い、サポートを考えていくことが、今後オープンデータの利活用を進めるために必要なことではないかと語った。

また、世界動向では、途上国のオープンデータへの取り組みを支援する国際連携が始まっており、G20圏に広がるオープンデータの経済効果に注目しているとのことである。

OKFJ代表理事 庄司 昌彦氏

自治体向けにオープンデータのガイドラインを準備

次に、内閣官房 IT総合戦略室 田雑征治氏が、政府の取り組みを紹介した。

政府は平成24年度(2012年7月)に「電子行政オープンデータ戦略」を策定、平成25年度(2013年6月)に発表した「世界最先端IT国家創造宣言」で「オープンデータの推進」を重要戦略として掲げた。

政府にとってオープンデータとは、「公共データの民間開放」であり、公的機関が保有するデータを民間が編集・加工しやすいようにしてインターネットで公開することである。ロードマップでは、平成27年度末に他の先進国と同水準のオープンデータの公開と利用を実現したいとしている。

2014年10月には、全省庁や自治体のデータを収集し、検索しやすくした「データカタログ」サイトを正式に稼働した。 続いてこの12月には、電子行政オープンデータ実務者会議のワーキングループで取り組んだ「自治体オープンデータ推進ガイドライン」(仮称)の発表を予定している。現在はオープンデータに積極的な自治体とそうでないところの差が大きいため、このガイドラインによって「底上げ」を図りたいと考えているそうだ。

参考資料

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/densi/kettei/rm_gaiyou.pdf
 

オープンデータデイ、3つの事例報告

インターナショナルオープンデータデイは、世界の各都市で同時に行われ、国内でもいろいろな地域で有志が企画し、規模も内容も様々に開かれる。この日は、2013年、2014年の参加事例から、流山市、千葉市、横浜市の3会場の成果が報告された。

 

CODE for NAGAREYAMA~地域のキーパーソンのつながりを作ったアイデアソン

共働きの子育て世帯が移り住み、人口が増加している千葉県流山市。CODE for NAGAREYAMAの代表を務めている近藤美保氏も、流山市に移住した子育て世代の一人だ。

マンションの自治会長をしていた近藤氏は、近隣自治会の人たちとのやりとりをした経験から、地域をもっと知らなければならないと痛感。自分たちのまちを魅力的にするためのアイデアを市民自らが考え提案する「試験的な場」として、オープンデータデイにエントリーし、アイデアソンを実施した。

参加者の年代は20代から70代まで。立場もエンジニアやワーキングマザー、NPO、学生、コンサルタント、専業主婦など様々で、「子育て」「自然」「防災」「広場」といったテーマで大いに盛り上がった。そしてこれをきっかけに、オープンデータというテーマを超えた絆ができ、参加者の間で盛んにイベントが開かれるようになった。現在ではさまざまな団体が連携しながら、地域活性化のための複数のプロジェクトが展開されているという。

CODE for NAGAREYAMA代表 近藤 美保氏

行政が主導で参加した千葉市。地域の課題共有が「ちばレポ」に発展

千葉市の取り組みを発表したのは市の市民局市民自治推進部 広報課長 松島 隆一氏。千葉市は行政主導で2013年からオープンデータデイに参加している。

第1回目はFixMystreetというソフトを使い、暮らしやすさ、住みやすさの観点から気になった場所をスマホで写真撮影して地図上に表示していく試みを行った。たとえば「ベビーカー調査隊」と称してまちを歩き、気になる場所があれば写真でレポートし、行政がそれに応えて改善するという流れをつくった。このときのアイデアが、現在の「ちばレポ」(市民協働レポート)につながっているという。

千葉市では、現在、オープンデイに参加した有志とともに「Open Chiba!」という団体を立ち上げており、今後は、この団体を通じて行政主導から市民主導の活動へ移行したいと考えている。

千葉市市民局市民自治推進部 広報課長 松島 隆一氏

横浜港の大さん橋を舞に180人が参加する大規模イベント

「Where does my money go?」 (税金はどこへ行った?)の日本版が最初に作られた横浜市。初期のころから市民によるオープンデータへの取り組みが盛んであったため、行政はバックアップに徹している、と市政策局担当理事の長谷川 孝氏は述べた。オープンデータデイへの参加は「横浜オープンデータソリューション発展委員会」という民間団体が主催しており、地域NPOや大学、メディア関係者や企業が一体となって参加している。

2014年は、これまで行われてきた取り組みを融合した5つのセッションがあった。1つは2020年の東京五輪に向けて「おもてなし戦略」を考えるアイデアソン、2つ目は子育てや防災、観光などに役立つアプリをつくるハッカソン、3つ目は社会課題を解決するユースワークショップで、4つ目はAR(拡張現実感)アプリを使った街歩き、Wikipediaタウンという街の情報のデータベース化も行った。

メイン会場となった横浜港大さん橋CIQプラザに約180人が集い、オープンデータデイとしては世界最大規模の会場となった。

横浜市政策局担当理事 長谷川 孝氏

2015年は国内100会場を目指す!

インターネットオープンデータデイは、このように行政から市民グループまで、有志が自発的にテーマを設定して盛り上がる「お祭り」だ。企画次第でいろいろな立場の人が地域の会場に集い、オープンデータを活用して街づくりや市民に役立つサービスを考えたり、その場でアプリケーションを開発したりする。そこから新たなビジネスを生み出すこともできる。

OKFJによれば、第1回目の2013年は国内8会場だったが、2014年は世界194都市のうち32会場が日本で開催されるまで拡大した。2015年は、それを大きく上回る国内100会場を目指したいと宣言しており、広く参加を呼びかけていく。

2015年 開催地登録フォーム

https://docs.google.com/forms/d/1ocnqothRRWVshJGn-GpoLMn8WqLL2gYOGeDOSoBcGQs/viewform

2014年の資料

http://odhd14.okfn.jp/