2012年のネット業界を展望する5大キーワード

2012年のネット業界を展望する5大キーワード

今回は、インプレスR&D インターネットメディア総合研究所が考える「2012年のネット業界を展望する5大キーワード」をお届けしたい。

「Wi-Fiオフロード元年」携帯電話網(3G/LTE)からコンピュータ(Wi-Fi)網が主役に

スマートフォン普及による爆発的なデータ通信量は、通信事業者にとってはARPUが上がらず、一基1000万円ほどかかる基地局増設への投資に限界を迎えている。そこで登場したのが、携帯電話網(3G/LTE)であふれた通信量をWi-Fi網に逃がす(オフロード)手法である。Wi-Fi基地局の設置は10万円以下で可能なため、世界の通信事業者は、生き残りをかけてWi-Fiスポットへの投資を増大させている。このため、2012年は本格的な「Wi-Fiオフロード元年」の様相を呈してきた。コンピュータ網として普及したインターネットと同様に、コンピュータ機能を主体としたスマートフォン時代には、電話網ではなくコンピュータ(Wi-Fi)網こそがふさわしい。

スマートフォンの普及でO2Oビジネスが躍進

スマートフォンの普及により、位置情報ビジネスの利用者が爆発的に増えてきている今、ネットのアクセスをリアルビジネスに波及させる取り組みが多く生まれてきている。これはO2O(オンライン・ツー・オフライン)と呼ばれている。グーグル社はリアル店舗の在庫情報や価格を検索できるGoogle Local Shopping、グルーポン社はGroupon Now!といった共同購入サービス、日本国内では店舗内チェックインサービスのスマポなど続々とサービスが誕生しており、2012年は世界的にO2Oビジネスが進化する年となるだろう。

「スマートTV」覇権をめぐりメーカーや動画事業者をはじめ多数のプレーヤーが参入

2012年は、インターネット経由で映像や音楽、ソーシャルメディア、ゲーム、情報検索など多彩なコンテンツを楽しめる「スマートTV」の大波が世界を席巻する年となるだろう。もはやテレビは放送局だけのものではない。その覇権をめぐり、メーカーや動画事業者をはじめ多数のプレーヤーが雪崩を打って参入を始めている。(1)スマートフォン、(2)タブレット、(3)PC、(4)テレビという「4スクリーン」の1つとして、スマートフォンが携帯電話市場に与えたような衝撃を、スマートTVがお茶の間にもたらす日も近い。

スマートハウスの中核的な装置「HEMS」へのビジネスチャンスが拡大

スマートハウスの中核的な装置「HEMS」(家庭用エネルギー管理システム)の標準インタフェースとして、ECHONETコンソーシアムが2011年6月に策定した「ECHONETLite」が、欧米勢のZigBee、Z-Wave、KNXなどの強豪を退けて、推奨されることになった(2011年12月16日にスマートコミュニティアライアンス(JSCA)で承認)。この規格は、中小企業やベンチャー企業がHEMS事業に参入しやすいように一般公開されるなど、画期的なものとなっている。「HEMS」へのビジネスチャンスが拡大することに期待したい。

電子出版に新発想を持ち込む定期配信型デジタル雑誌が台頭

タブレットやスマートフォンに情報を配信するNewsstandや、ソーシャルメディアなどからフィードを集めて雑誌的インターフェイスで一元的に見せるFlipboardなど、新しいサービスの登場により、デジタル雑誌が成長の兆しを見せている。iPadの発売直後に登場した『TIME』をはじめとするインタラクティブ雑誌は期待に反して大きな市場を作るには至ってないが、もともと対象が明確で専門コンテンツをじっくり読ませる雑誌型コンテンツは、コミュニティーを形成しやすく、デジタル技術の進化によって表現やビジネスの自由度も高くなる。そこに気づいてサービスを作り上げたコンテンツ事業者が、2012年、大きな成長を遂げるだろう。