【BLOGOS Award 2011報告】大賞は匿名社会派ブログ「Chikirinの日記」のちきりんさん

イノベーションラボ

株式会社ライブドアが運営するニュースサイト、BLOGOS(ブロゴス)で今年注目を集めた参加ブロガーを表彰するBLOGOS Award 2011が12月5日、プリンスパークタワー東京で開催された。ライブドアがBLOGOSブロガーを表彰する式を開催するのは、2009年10月の同サイトオープン以来、今回が初めて。

 

2011年1月から11月末までのページビュー、コメント、ツイート、いいね!の数を基準に、BLOGOS Award審査委員会の協議により、政治・経済:社会の3つの部門から31のブログがノミネートされ、大賞以下6つの賞が授与された。各賞受賞者は以下のとおり。

【大賞】

Chikirinの日記 / Chikirin

【PV賞】(ページビューの数が最も多かったブログが対象)

武田邦彦(中部大学)/ 武田邦彦

【話題賞】(各種メディア、ツイッターやフェイスブックなどで大きな反響があったものが対象

田中龍作ジャーナル/田中龍作

【ブログメディア賞】(複数の書き手が参加しているブログが対象)

アゴラ - 言論プラットフォーム/株式会社アゴラブックス

【議員賞】

河野太郎ブログ「ごまめの歯ぎしり」/河野太郎

【経済・金融賞】

金融日記/藤沢数希

 

大賞のちきりんさんはお面で登場

大賞を受賞したちきりんさんは、「おちゃらけ社会派」ブロガーとして社会問題について思うところを日常的なことばで綴る「Chikirinの日記」が2005年3月のブログ開設以来、PV数を着実に伸ばしている。

大賞のプレゼンターを務めたライブドア代表取締役社長の出澤剛さんは、授賞理由を「覆面、匿名でありながら、非常に信頼感のある、ユーモアがあって読ませるエントリーが魅力的。着実にファンを増やし、今年に入っては書籍の出版や大手メディアでの連載開始などで大成功されて、ブロガーのひとつのロールモデルを作っていただいた。我々がやっているオピニオンメディアの地位向上に多大なる貢献をされたと思っています」と説明した。

表彰式に手作りのお面姿で臨んだちきりんさんは、自身のブログへの思いと受賞の気持ちを次のように語った。「新聞やテレビなどのマスメディアだと、ふつうは肩書きがすごく大事になると思うんですね。ネットは新しいメディアなので、肩書きやプロフィールがなくても、言っていることがまともであれば、ほんとうにみんな聞いてくれるんだろうか、読んでくれるんだろうか、ということにチャレンジしてみたいと思ったというのが(ブログを書く動機として)一番大きくて、そういう意味で、匿名でいろいろと好き勝手に書いてきたものが、このように評価されたことについては、ほんとうに嬉しく思います」。

各賞受賞者の声

一方、アゴラの代表としてブログメディア賞を受賞した池田信夫さんは、NHK勤務の経験もあり、マスコミの場で発言する機会も少なくない。池田さんは、ブログとマスコミでの情報発信の違いについて「ブログで書いていることと、マスメディアで書いていることはそんなに違わない。逆に言うと、僕がブログに書いているようなことを言われると困るようなマスコミには呼ばれない」と話した。アゴラは2009年1月にスタート。「マスコミに対抗できるくらいのクオリティのものを出そうとしている。今回の原発事故でもお分かりのように、やはり日本のメディアは、マスコミでもいいかげんな情報が流れるし、ネットメディアではもっといいかげんな情報が流れるし、そういうなかできちんとした情報を出すという役割はますます、強まっているなという感じがします」と語った。

議員賞を受賞した河野太郎さんは表彰式には欠席だったが、ビデオメッセージで、「日本の原子力政策がおかしい、つじつまが合わないということを自民党のなかでひとりだけ、ずっと言い続けてまいりました。大手のマスメディアもなかなか、原子力行政を取り上げてくれないなかで、インターネットで発信をするしかない、そう思ってブログを書いてまいりました。これからも、衆議院議員河野太郎が何を考えてどう行動しているのか、ひとりでも多くの皆さんに知っていただいて、ひとつひとつ、日本が直面する大きな問題を皆さんと一緒にクリアしていけばいいのかな、と思っています」とのコメントを寄せた。

「記事を書くエネルギーは、ふざけるな、という怒りです」と話したのは、話題賞を受賞した田中龍作さん。大手のメディアに登場することはあまりないという田中さんは、「マスコミがこれまで(原発で)小さいトラブルがあったことをちゃんと報道していたら、こんな大事故は起きなかったわけですよ。それでますます、記者クラブ、東電、政府に対して憎しみが沸いてきて、ますます書いているということです」とブログに寄せる熱い思いを語った。

以前は随想のようなものを書いていたというページビュー賞の受賞者、武田邦彦さんは3月11日以降にブログの内容を変えた理由を「子供たちを被爆から守ろうと思って書き始めた」と説明、「記事の中心は子供の被爆問題に置かれているが、個別の質問は人生相談に近いものが多い。非常に責任のあることに対して、ふつうだったら他人では答えられないようなことでも、ずばっと答えなければいけない。日本のお父さんとしてという言い方をしているが、私の歳になってできたことかなという気持ちもいたします」との感想を述べた。

「金融日記」で経済・金融賞を受賞した藤沢数希さんは、ちきりんさんと同じく匿名で活動している。表彰式には、藤沢さんの著書『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)の担当編集者、加藤貞顕さんが代理出席した。加藤さんは、「藤沢さんには「サイトに出している情報以外は、イケメンであるということしか言ってはならない」と言われてきた。でも匿名で書かれたことが、社会のなかで意味を持ついい話として広がっているのは、すごくいいことだなと思います」と話した。

3.11以降にアクセスが増加したBLOGOS

BLOGOSへのアクセスは、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故が起きた3月11日以降、飛躍的に増加している(下のグラフ参照)。

 


BLOGOS編集長の大谷広太さんは、「グラフで分かるとおり、BLOGOSに寄せられている政治家の生の声、専門家の本音の意見、そういったものへのニーズの高まりがこの数値に反映されていると思う。ブログの価値、個人の方が発信する情報の価値が高まっている。インターネット上での議論が重視されるようになっている」と説明した。

BLOGOSは11月下旬に「意見をつなぐ 日本が変わる」を新コンセプトとしてサイトをリニューアルしたばかり。大谷編集長は「BLOGOSに来れば、日本が抱えるいろんな問題がわかる、いろんな処方箋、いろんな立場の方の意見が読める、読んだ方がそこにそれぞれの意見を書いていく、そういったことを集約していくことで、インターネットから日本を変えていけるのではないかと思っている。スマートフォンなどのマルチデバイスにも対応していく。ブロガー、ユーザーの皆様と一緒に盛り上げていければいいなと思っています」と抱負を語った。

写真は左より、住吉美紀さん(司会)、武田邦彦さん、池田信夫さん(アゴラ言論プラットフォーム代表)、ちきりんさん、加藤貞顕さん(藤沢数希さん代理)、田中龍作さん、松尾貴史さん(プレゼンター)。

受賞ブログとノミネートブログ一覧

http://blogos.com/feature/blogos_award/

BLOGOS

http://blogos.com/