「家庭を発電所に」「地域を発電所に」:注目のマイクログリッド

「家庭を発電所に」「地域を発電所に」:注目のマイクログリッド

なぜマイクログリッドなのか

今、「家庭を発電所にする」「地域を発電所にする」という、スマートグリッドの構成要素である「マイクログリッド」が国際的な注目を集めている。

政府は「東日本大震災」後のエネルギー需給安定策について、第2回エネルギー・環境会議(7月29日に開催)のなかで、目標達成へ向けた具体的な対策として、
(1)HEMSやBEMS(住宅やビルのエネルギー管理システム)やLED照明などの省エネ商品の導入
(2)スマートメーターの導入促進
(3)地域における分散型エネルギーによる地産地消システムの構築
(4)再生可能エネルギー(太陽光や風力等)による発電や、熱やガスを併給する燃料電池などの「分散型電源」の導入促進の実施
などを挙げている。

さらに、エネルギー需給安定関連の規制や制度改革リストには、分散型電源や再生可能エネルギーなどの項目もあげられていて、送配電網における規制の観点からも、今後検討が必要であるとしている。

このように、トータルの電力使用量を地域レベルで最適化し制御するマイクログリッド化は、新しいエネルギー利用の必要性の中でも、分散型で安定性のよいエネルギー供給システムである点で、特に注目されている。

総務省の施策と世界のマイクログリッドの取り組み

総務省においても、スマートグリッド関連のさまざまな取り組みが行われている。

スマートメーター用に利用可能な周波数帯として、915~928MHz帯を2011年中に追加することや、スマートメーター等の通信プロトコルの標準化の提案をするとしている。さらに、2011年9月には、新しく環境クラウドの「環境クラウドサービスの構築・運用ガイドライン」(案)も発表し、意見募集をしている。

現在、総務省は地産地消モデル(いわゆるマイクログリッド)の実証を行い、2012年度に向けてマイクログリッドの標準仕様の策定に取り組んでいる。

また現在、世界中で160以上のマイクログリッド関連のプロジェクトが稼働しており、それらのプロジェクトの出力の合計は1.2GW(ギガワット)で、これらのシェアを発電容量から見てみると、導入されている全容量のうち69%が北米、それに次いでアジア太平洋地域が19%、欧州が12%となっている(米国Pike Researchレポート)。

さらに米国では、軍事向けのマイクログリッドがマイクログリッド市場を牽引している点が指摘されている(SBI Energy のレポート)。これによれば、軍事基地や軍事施設での停電やエネルギー輸送に関するリスクなどに対応するものとして、マイクログリッドが重要な役割を果たしているという。テロからの攻撃や自然災害時に、回復力のあるエネルギーインフラが整っていることは、安全保障上の観点からも重要だとされている。

『世界のマイクログリッドと再生可能エネルギー2011』
[太陽光/風力発電から蓄電池、法規制、各国のプロジェクトまで]
新井 宏征 [著]
http://cc.mas.impress.co.jp/c/000m7o_00005mk5_90