PaaSとは (Platform as a Service) 用語解説

「ウェブサイエンス2.0胎動 用語解説」(森田 進)

用語:PaaS
よみ:ぱーす
英語:Platform as a Service
略語:PaaS

プラットフォーム一式をサービスとして提供するビジネスモデルのこと。ネットワーク経由のアプリケーションを対象とした提供サービスがSaaSだが、これをクラウドコンピューティング時代にふさわしくプラットフォームや開発環境全般に拡張させたものがPaaSである。

個人向けECサイトの巨人であるAmazonは、もともと同社が自社サービスの運営のために構築したものを利用し、サーバーレンタルや利用者によってOSやミドルウェアを自由に選ばせながらハードウェアやプラットフォームをサービスとして貸し出すビジネスにも参入し、海外ではベンチャー企業をはじめ多くの企業に利用されている(2006年より「Amazon EC」や「Amazon S3」のサービスを提供)。

また、現世代ウェブの覇者であると同時に次世代コンピューティングの先駆でもあるGoogleは、世界中にデータセンターを構築・運用していることでも知られる。インターネット検索/広告ビジネスモデルの改革者としてその名を馳せた同社だが、安価なマシンと強力なミドルウェア、独自技術などで装備された巨大なデータセンターを駆使して、スーパーコンピュータ並みの処理性能を持つインフラ群を構築している。2008年4月に発表されたPaaSサービス「Google App Engine」は同社のインフラをベースにAmazonの「EC2」、「S3」、「SimpleDB」サービスと似たような機能としてサービスパッケージ化したものである。同サービスは検索やGmail(Googleのメールサービス)などのサービス運用で実績を積んできた堅牢なインフラの上で個別のアプリケーションを利用できることを売りにしている。

また、以前からASP~SaaSプロバイダーとして成功を収めていたSalesforceだが、2007年からSaaSの提供基盤として構築済みのインフラを外部に公開し、新たにForce.comというサービス名でPaaSの事業に参入している。同社のPaaSサービスではJavaに似たApexという言語を開発言語及びEclipseプラグインとして採用し、統合開発環境用のさまざまなツール(Development as a Service)を提供している。

これで、Google/Amazon/Salesforceというウェブサービスの3大巨人がPaaSというビジネスモデルをいかに重視しているかが伺えよう。

なお、AmazonのPaaSサービスはユーザー自身によるサービス構成の組み合わせを編成できるという意味で一定の自由度が設けられているが、Googleが提供開始したサービスでは必要な機能水準がある程度設けられ、ユーザーは余計な作業に煩わされずにすぐに利用開始ができるという違いがある。また、GoogleとSalesforceのPaaSではインフラのみならず開発環境・アプリケーション作成用のフレームワークも提供し、本格的なプラットフォームサービスを指向している。

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