シナリオ・プランニングとは (scenario planning) 用語解説

「ウェブサイエンス2.0胎動 用語解説」(森田 進)

用語:シナリオ・プランニング
よみ:しなりお・ぷらんにんぐ
英語:scenario planning
略語:-

シナリオ・プランニングとは、潜在的な要因を含めいくつかありうる将来の環境(事業環境)についての認識をシナリオ化という作業を通して秩序立て、意思決定に導くための一連の方法であり、シナリオに応じた対応策を講じておくとする考え方である。シナリオは一般に取り囲まれている環境についての認識の根拠となる重要な要素(ドライビングフォース等)で構成された「筋書き(物語)」のスタイルによって構成される。

シナリオ・プランニングというアイデアの発端となったのは第二次世界大戦後に米空軍は、敵がどんな動きをしそうか、そしてどのような対策があるかを想定したシナリオを組み立てているうちに軍事計画の方法論として編み出された。その後、1960年代にこの研究に参加していたハーマン・カーンにより、ビジネス上の予測の手法として洗練が加えられ、「シナリオ法」として確立していった。ハーマン・カーンはのちに未来学者、一般システム理論の論客として世界的に知られるようになり、彼の著書「超大国日本の挑戦」(1970年)の中で「21世紀は日本の世紀」という文言は世間の衆目を集めたのはまだ記憶に新しい。

さらにその後1970年代前半にロイヤル・ダッチ・シェルで活動していたピエール・ワックが、1970年代の石油価格の高騰に対する対処を考察するなかでシナリオ・プランニングの論文を書き上げてから、マネジメントの手法として広く知られるようになっていった。

戦略論の大家であるマイケル・ポーターは、『シナリオとは「戦略家の兵器庫」に仕舞われている大切な「武器」である。もし将来を予測することが不可能であったとしても、さまざまなケースを想定して自由に発想をめぐらし、より相応しいシナリオを想い浮かべると良い。シナリオは戦略をたてる際の仮説であり、統計数字より重要な洞察を与えてくれるものである。(筆者抄訳)』と述べている。その他、経営戦略論の権威であるイゴール・アンゾフやヘンリー・ミンツバーグなどもシナリオ・プランニングを高く評価し、彼らの著作のなかでさまざまな角度で言及している。

マネジメント的に説明すれば、未来についてのイメージを網羅的に描きながらも、そのなかから管理可能な数にシナリオを抑え、さらにいくつかのシナリオを両天秤にかけてそれらの組み合わせを推理し、どのような最善策をとるべきか議論・説得する際の助けとなるものである。結果として、状況変化に対する認識についての視野を広げ、たとえシナリオが完璧に適合しなくとも、経営者を含めたスタッフのプランニング能力を向上させることにつながる。

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