超店舗検索―大学生が開発したケータイ検索サービスの発想とこだわり【前編】

仲里淳(編集部)

超店舗検索」は、ケータイのGPS機能を使って“いま営業している”最寄りのファーストフードやファミリーレストランの店舗位置が検索できるというサービスだ。細かいところまで作り込まれており、とても実用的なものに仕上がっている。開発したのは、茨城県取手市を拠点に活動する現役大学生3人組。その開発経緯や発想、設計へのこだわりは、企業のサービス担当者や開発者にも読んでほしい、ユニークかつ深いものであった。この3人へのインタビューを前編と後編の2回にわけてお届けする。

前編は、3人のチームが結成されたきっかけとサービス開発に至った経緯について。
※【後編】はこちら

学生がつくったにしては
妙に“こなれた”ケータイサービス

超店舗検索
店舗検索系のサービスは数多くあるが、「超店舗検索」の使い勝手のよさはなかなかのもの。GPS機能を備えたNTTドコモ、au、ソフトバンク、ウィルコム(※位置情報送信機能)の端末で利用可能(非GPS対応機の場合は駅名などからも検索可能)。
http://mada.am

3月上旬、1つのケータイ向けサービスがひっそりと公開された。「超店舗検索」という名のそのサービスは、GPS機能を使って最寄りのファーストフードやファミリーレストランの店舗位置が検索できるというもの。

試しに使ってみるとこれが細かいところまで気が利いていて、なかなかよくできている。しかし何よりも興味をひいたのは、現役大学生が開発したという点と、それにしては機能や使い勝手がバランスよくまとめられているという点。

高校生でもウェブサービスを作ってしまう今日この頃なので、大学生が作ったからといっておどろくことではない。ただ、この超店舗検索には、そういった「ちょっと作ってみました」的サービスにありがちな“ジョーク”や“役立たなさ”が見当たらない。企業の商用サービスといってもいいくらい、実用的なのである。

「これはきっと、渋谷あたりにあるイマドキのケータイベンチャー企業でアルバイトをしていて、そこのスタッフにあれこれ叩き込まれた学生らしさの薄い若者が作っているに違いない!」と思いつつ、その正体を探るため取材を申し込んだ。

翌日、「学ラボ」と名乗るチームの1人から返事が来た。

「週末は茨城県の取手市にメンバー3人が集まって開発しています。ぜひよろしくお願いします!」

茨城県取手市にある小さな部屋で
サービス開発に打ち込む3人の学生

やってきました茨城県取手市
やってきました茨城県取手市。秋葉原から守谷まではつくばエクスプレスだが、守谷から新取手まではディーゼルエンジン車だった(貴重な体験)。ほんのりのどかな雰囲気が漂う新取手駅前で待ち合わせ。

「茨城県取手市って……」

つくばエクスプレスができてから多少は身近になったものの、都内からだと決して近いとはいえない土地(編集部があるのは市ヶ谷)。渋谷かその辺りだろうと予想していたら、意外にも半日がかりの取材に。正直「ちょっとめんどくさいなぁ」という気持ちであった。

待ち合わせ場所である関東鉄道常総線(Suicaが使えない)の新取手駅前に現れたのは、おそろいでオレンジ色のTシャツを着た3人の若者。ごく普通の雰囲気で、「妙にビジネスっ気がある若者に違いない」という予想は見事に裏切られた。

チーム名の「学ラボ」とは、大学のサークル的なノリで名づけたという(「大学生のラボラトリー」ということだ)。そして、リーダーである鈴木さんの祖母の家にある2階の一室を“ラボ”として開発のために使っている。

リーダーである鈴木さんの祖母の家の2階が学ラボの開発現場
リーダーである鈴木さんの祖母の家の2階が学ラボの開発現場。階段を上りながら、自然とポーズを決めてくれた。Tシャツは取材用にユニフォームとしてそろえたそうで、オレンジ色にしたのは「目立つから」とのこと。

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3人を結び付けたのは
学生向けのビジネスコンテスト