FSV #39 Storage 2.0時代の到来(2)企業向けオンライン・ストレージ・サービス

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米国企業IT戦略レポート~フロム・シリコンバレー

森 洋一(テクノロジーリサーチャー)

シリコンバレー在住の森洋一氏による、米国企業を中心としたITビジネスとテクノロジー戦略の最新レポート。オープンソース、マイクロソフト、エンタープライズといったテーマについて現地の視点から考察していきます。

オンライン・ストレージ・サービスの第2回となる今回は、SSP(ストレージ・サービス・プロバイダ)の変遷について。


ホームユーザーからオフィス向けにオンライン・ストレージ・サービスが進展する中で、ディスクドライブ製造の最大手Seagate TechnologyがEvaultを(2006/12)、IBMがArsenal Digital Solutions USAを買収(2007/12)して、にわかにエンタープライズ向け企業が注目され始めた。彼らは1990年代のドットコムブームからの生き残り組である。

生まれ変わったストレージ・サービス・プロバイダ(SSP)

バブル最盛期に生まれたストレージ・サービス・プロバイダ(SSP:Storage Service Provider)はiDC(internet Data Center)と呼応してストレージをインターネット越しに提供する企業として始まった。ASP(Application Service Provider)などの登場もこの時代である。しかし初期のiDCやSSPはバブル崩壊と共に挫折した。ここまでが第1世代である。その後iDCが各種のホスティング・ビジネスとして生まれ変わったようにASPも今やSaaS(Software as a Service)となって成長曲線に乗りだした。SSPも第1世代の崩壊後、自社開発のソフトウェア群(ストレージ管理、バックアップ・リカバリー、課金)を武器に、一部はISVに転進し、多くはストレージ管理サービスを提供するプロバイダに活路を開いた。第1世代が企業内ストレージをインターネット越に置き換えたのに対し、第2世代ではインターネットを介したバックアップやディズアスターリカバリーを提供するオンデマンド・バックアップ・プロバイダに生まれ変わったわけである。

オンデマンド・バックアップの仕組み

オンデマンド・バックアップ・サービスの仕組みはおおむね以下のようになる。

図の左がストレージのバックアップ・リカバリーを提供するプロバイダで専用のセンターを持ち、右がユーザー企業である。バックアップの対象となる各種サーバーやPCなどにはエージェントソフトウェアがインストールされ、システム運用管理者にはストレージ・マネージメント・ポータルが提供される。

エンタープライズ・ストレージ・バックアップ・システム概要。
エンタープライズ・ストレージ・バックアップ・システム概要。

ユーザー企業の運用管理者はこのポータルを使って、自社ストレージのバックアップ状況や関連するジョブの実行と閲覧ができる。対象となるファイルはフラットファイルからデータベースまで自由に選べる。バックアップ取得のソフトウェアもプロバイダが保有するものからユーザー指定のサードパーティー(Veritas、Legato、データベースベンダーなど)ものまでが揃い、さらに効率や安全面から圧縮と暗号化が施されてデータセンターに送り出される。これらの作業はポータルからの事前設定で実行されるが、複数同時実行が一般的だ。プロバイダのデータセンターでは夜間や閑散時を利用して、送られてきたファイルの整理やバッチ処理(テープ吐き出し、レポート作成)が行われる。障害時の復旧は状況に応じて、センターから全量ないし差分データを転送。それらのデータは、今度は逆にバックアップ・リカバリーのエージェントを介してデータベースへと流し込まれる。

Arsenalのオンデマンド・データ・プロテクション

IBMが買収したArsenal Digital Solutionsは1998年にSSPとして発足。その後バックアップ・サービスに変身した。同社の提供するサービスは3つ。フラッグシップのViaRemoteはポータル経由のオンデマンドでサーバーやPC、モバイルなどすべてのバックアップ・データを採取する。データセンターとの伝送には128ビットのAES暗号化が施され、契約オプションによって、そのコピーを他のセンターに持つこともできるし、専用アプライアンスも用意されている。

ViaRemote for PCs Servers Service Infrastructure 提供:Arsenal Digital
ViaRemote for PCs Servers Service Infrastructure 提供:Arsenal Digital

2つ目のViaBackは同社とパートナー契約をしたデータセンターが同社技術をホスティングマシンのストレージに適用するサービスである。3つ目はViaManage。これは企業ユーザーのファシリティーをそのまま使用し、同社のソフトウェアと人材を持ち込んだオンサイト・サービスとなる。

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