Foo Camp―GoogleやWikipedia創業者も参加するオライリー主催プライベートイベントの全貌【中編】

[Foo Camp 2007レポート]

Foo Camp 2007

オライリーが主催するイベントは、Web 2.0 SummitやWeb 2.0 EXPO、OSCONにETechなど、最前線で活躍する業界注目の人々が参加することで有名だ。そのなかで発表される内容や語られるテーマは、世界中から注目されるため、いまやIT業界の名物イベントとなっている。その中でもちょっと異質なのが「Foo Camp」である。完全招待制であるため、その内容を知る人は少ない。このレポートでは、2007年6月に行われたこのイベントを前・中・後編の3回にわたってお伝えしていく。

中編となる今回は、そのルールからして型破りとも思えるセッションや夜の過ごし方について紹介する。

文・写真:林信行(Nobuyuki 'Nobi' Hayashi)

アジェンダが存在しないFoo Camp

Foo Campにはアジェンダがない。これは招待者状にもあらかじめ書かれていたが、どういうことか想像がついていなかった。アジェンダというのは、この時間、このホールではこのテーマについての講演を行う、会議を行う、といった時間割のことだ。

その代わり、Foo Camp初日のオライリー社の廊下には、巨大で真っ白な時間割表が置かれている。

時間割は金曜日の夜から日曜日の正午までが時間帯によって30分または1時間刻みで区切られており、同社にある8つの会議室(やホール)の名前と駐車場に用意された特設のテント6つに付けられた名前が書かれ、合計200コマほどが用意されている。

参加者が何をするかというと、この真っ白な時間割に自分が講演したいテーマや議論したいテーマを備え付けのマーカーペンで書き込んでいくのだ。




Foo Campにはアジェンダがない。真っ白なスケジュールボードがあるだけだ。参加者はこのスケジュール板に思い思いのテーマのセッションを書き込んでいく。

たとえば自分が開発した新サービスを紹介するといったセッションもあれば、「中国市場進出について話し合いたい」という人もいる。

「How to Change Your Life(人生をどう変えるか)」といった抽象的なものもあれば、「How to Have New Ideas(いかにして新しいアイディアを得るか)」といったライフハック的なもの、一方で「Collaborative Visualization(協調作業を誘発する情報の視覚化)」、「アフリカのモバイル通信事情」といったやたらと具体的なものもある。

「What is in your pockets?(ポケットの中に何が入っているか)」を見せあうセッションや「Make Your Own Words(造語をつくろう)」といったやや遊び的なもの、「Whisky 2.0(ウィスキー2.0)」というかなり遊びっぽいものもある(セッション中のテントの前を通りかかったが、かなり目の座った7~8人組が、10本くらいのボトルを取り囲んで座っていて「お前も飲まないか」と誘われた)。

これに加えて、夜には一番大きなホールでライトニング・セッション(稲妻セッション)というのが行われた。

これは参加者が入れ替わり立ち替わり、セッションにするほどではないネタを披露するセッションで、実はおもしろい技術デモを一度に見ることのできる注目のセッションだ。まじめなデモもあれば、「私が今、ハマっているアメリカンコミック10選」などおふざけのセッション、インターネットの旅行代理店で乗り継ぎ便などをうまく活用して、飛行機代をどれだけ安くしたかをひたすら自慢しまくるセッションなどもあった(ものによっては遠回りになるが、10分の1、20分の1の飛行機代で済んでいるものもあり、聴講者から「どうやっているのか?」という質問が殺到したが、結局、答えを話さないまま終わってしまった……)。


ライトニングセッションは、オライリー本社最上階の一番広いスペースで行われた。

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各スピーカーの個性が反映されたセッションは形態もさまざま