メタ言語とは (meta language) 用語解説

「ウェブサイエンス2.0胎動 用語解説」(森田 進)

用語:メタ言語
よみ:めたげんご
英語:meta language

メタ言語とは、言語学の研究者であるヤコブソンが、言語(言語機能)モデルにメタ言語の概念を取り入れ、メタコミュニケ-ションを導入する一環で提唱したものである。メタという言葉は、対象レベルを語る一段上のレベルのことを指すが、たとえば、メタ物理学(meta-physics)、メタ設計(meta-design)、メタモデル(meta-model)、メタデータ(meta-data)という具合に英語圏の科学・哲学・工学分野でよく使われる用語(概念)である。検索ページで複数のサイト(領域)をまたがって検索にかけたり、検索項目があるかどうかを一覧表示する「メタ・サーチ」、あるいはWikipediaのようなFolksonomy(フォークソノミー)で自動生成される階層分類における「メタウィキ」、「記事一覧の一覧」のように、階層を越えたメタ階層が必要となる場面では「メタ」の概念が必要となる。

ヤコブソンによれば、言語そのものの外にある事項について語る「対象言語」(object language)と、他方で、言語コ-ド自体について語るための言語とを区別するべきであるとし、後者のような側面を「メタ言語」と呼んでいる。このメタ言語に関してヤコブンン言語学の研究者は、ビジネスの言語コード(会計言語である財務諸表等)を理解するには、メタ言語に似た“メタコミュニケーション的”な概念が有効であることを主張している。

彼らのいう“メタコミュニケーション的”とは、それがコミュニケ-ションのなかに同時に入っていながら、かつ、コミュニケーションについて語っている言語行動のことを指しているが、これは、“コミュニケ-ション外的”、すなわち、それ自体としてはそのコミュニケーションのなかに入っておらず、そのコミュニケ-ションについて語る言語行動と、たがいに対の関係にある概念である。

メタコミュニケーションの概念は、今日のウェブメディア、ウェブコミュニティ等を介したコミュニケーション、ネットワーク形態によるコミュニケーションとも通底している考え方といえよう。Web2.0は、コミュニケーション、コミュニティというカテゴリーを越えた多様でダイナミックな社会的な祭典であり、自己組織化なメタ・コミュニケーションの手がかりを与えるものといえる。

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