FSV #35 OpenOfficeの世界(3) OpenOffice.org 3.0への期待

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米国企業IT戦略レポート~フロム・シリコンバレー

森 洋一(テクノロジーリサーチャー)

シリコンバレー在住の森洋一氏による、米国企業を中心としたITビジネスとテクノロジー戦略の最新レポート。オープンソース、マイクロソフト、エンタープライズといったテーマについて現地の視点から考察していきます。

今回は、OpenOffice.orgを紹介する第3回、OOo2.3の紹介と3.0の展望について。


OpenOffice.org(以下OOo)3.0への期待が高まっている。

昨年9月に現在のOOo 2.3がリリースされ、シリーズ最後の2.4が3月(予定)に出て、そして3.0となる。振り返ってみると1999年にサン・マイクロシステムズがMicrosoft Officeに対抗するStarOfficeを開発していたStar Divisionを買収、2000年にはOpenOffice.orgを立ち上げてオープンソース化し、2002年5月に最初のOOo 1.0(StarOffice 6.0ベース)」が出た。それから3年が経った2005年10月にOOo 2.0がリリース、以降、2.1は2006年12月、2.2は2007年3月、現在の最新版2.3(英語版)が同9月17日、日本版も日本語プロジェクトの努力のおかげで同10月4日に出荷された。

OOo 2シリーズには幾つかのサブバージョンがあるが、2.1からバージョニングが変更となり、機能向上などのメジャーアップデートは小数第1位(例えば2.3)、セキュリティーやバグなどのマイナーアップデートは第2位(例えば2.3.1)とする組み合わせ方式になった。したがって最新(2月10日現在)のOOo 2.3.1はOOo 2シリーズのメジャーアップデート3版であり、そのマイナーアップデートの1版となる。

使い易くなったOOo 2.3

まずOOo 2.3の概要について触れてみたい。

対応するファイル形式はISO標準のODF(OpenDocument Format)を中心にMicrosoft Word 97/2000/XP、StarOffice、HTMLなど。個別にみると文書作成のWriterではエクスポート時にPDFやHTMLだけでなく、Wikipediaで使われているオープンソースのMedia Wikiも扱えるようになった。言語設定も拡張されて中国語だけでも4種類が用意されている。

表計算のCalcでは、Microsoft Excelとの互換性向上のために配列定数のサポートや拡張オートサム機能、JIS/ASC関数、ショートカット・キーなどが追加、グラフ機能ではこれまでのものに加えて、レーダー・チャート、株価チャートなどが加わり、扇グラフはさらに2重の分解ドーナツ・グラフ表示もできる。これらのグラフは三次元(3D)表示の指定、また陰影をつける写実オプションも追加されて見栄えが良くなった(下図)。


レーダー・チャート表示(左)と分解ドーナツ・グラフの写実3D表示(右)の例。

プレゼンテーションのImpressでは以前実装されていた曲線に沿って動くアニメーション機能が復活した。動かしたいオブジェクトを指定し、「アニメーションの設定」で「モーションパス」のタブにある動曲線を指定する。例えばプレゼンテーション画面の写真にゴルフボールを置いて「フリーハンドの線」で書いた飛行曲線に沿って飛ばしたり、ちょっとふざけて「スパイラル」に動かしたりできる。


アニメーション機能を使ったスパイラル指定(左上)とフリーハンドの飛行曲線(左下)。アニメーションの設定画面(右)。

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OOo 3.0への期待